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映画 小説 ときどき漫画の感想集

奇妙な気分への扉! 「アノマリサ」

 

アノマリサ [Blu-ray]

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うむ!これはこれは物珍しい映画だ!
 
鑑賞して一ヶ月後位の感想になるが、
まだ余韻は残っている。
それほど私にとっては味わい深い映画であった。
 
何が珍しいか
1.人形を動かして一コマずつ撮られたストップモーションアニメであること
 
2.主人公以外の人形の顔が一緒であること
 
3.排尿シーンなど通常カットされる映像が使われていること
 
主にこれらだと思うが全体的に奇妙で、人によっては気味悪さを感じると思う。
 
名声を手に入れたベストセラー作家が、周りの人間が全て同じに感じるなか、講演先のホテルで、元カノと連絡をとる。
しかし、再会は悪い形に終わり気分が落ちているとドアの外から他とは違う声が、、
その女性と恋に落ちるが、、
 
主人公の心の声を聞き取る場面はないので、表情やセリフで感じるようになるが、人によって見解が全然違うこともありえるだろう。

意外なところで日本も関連してくるから癖が悪い笑

奇妙ながら全体を通すと地味な映画。
それでも印象に残る映画である。
変な意味のない映画を見てるみたい。
でもそれはなにかを暗示をするような。

奇妙な気分に浸りたいときは是非。

72点
 
 
 

 

殺戮にいたる病


どんでん返し

 

というものには、、あまり興味がないつもりだった。

だからこの小説もそういう類のもだとは思ってなかった。


しかし最後におきたどんでん返しは、大きな感動を与えてくれた。

叙述トリックとはこのことかと。


殺戮シーンに着目されることもあるが、私はそこまで生々しいともグロテスクとも思わなかった。まぁ私がそういうものになれすぎてるだけかもしれないが、、。


それよりも各々の心理描写の方が、この作品の良さであり、最後のクライマックスをより深いものにしてる。

特に犯人の幼少時から今にかけての、心理描写や病的感覚の表現については、神秘的とも思えた。


最後のクライマックスはもう少し、細かくてもいいと思ったが、最後の疾走感がかえって良かったのかは個々によって違うだろう。

でも3分の2位読むともう最後まで読みきってしまうからかえって最後駆け足の方が睡眠不足の読者にはありがたいのかもしれない笑。


75点!

カメラを止めるな!

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先日、今何かと話題の「カメラを止めるな!」を観て来ました。

 

事前情報は、盗作疑惑が騒がれてるというのと、ゾンビ映画中に本当にゾンビが出て来てしまう映画ということだけでした。

 

いゃあ最初の約30分は、

やべぇ外れ臭が半端ないと思いましたが、いやいやそういうことだとは、

後々、調べると三谷幸喜さんの影響を受けた監督さんとのこと。

確かに、最初に伏線を放り投げて、後でそれを結びつけ笑いを作る。

王道であるけれど、あれほどハッキリとした二段構えは新しいのかもしれない。

 

役者さん達は、失礼ながら、ほとんど見たこともない人達でしたが、それがまたこの映画の良さ、B級映画と見せかけることに結びついたのではと思える。

とはいえ、演技に関しても違和感なく、素晴らしかったと思います。

映画という大画面でなくていいという意見をどこかで見ましたが、これは映画館で他のお客さんと共有する笑いを含んだ映画だと思います。

 

最近、映画館で笑いが起こるのは田舎では珍しい。

 

72点!

 

僕だけがいない街

漫画の記事としては第1発目


これからどちらかと言うと、小説と映画を中心に書きたいなと思ったので、


漫画の回は貴重になるかも。


他にも書きたい漫画の作品はあるが、

比較的最近出版されているこの作品について書きたい。


タイムトラベルすることによって

一つの事件を終わった世界から始まる世界から解決していこうとする。

ミステリー要素以外にも個人ごとの心情や人々との結びつきなども上手く綺麗に描かれている。


ラストに至るまで手に汗を握る展開にしていく旨みが作者にはあると思う。


78点


コンビニ人間

結局2作目も村田沙耶香著!

 

すっかり魅了されている笑

 

やはり、価値観が普通とは逸脱している主人公の世界。

でも、その普通とは、一体何なのだろうか。

 

結局、数の多い普通が、普通になっていく。

あまりにも無機質だけれど、人間の本質を捉えている作品だと思う。


コンビニの中では、普通になれる人間

コンビニが彼女にとって人間のマニュアルであるかのように


彼女の無機質というフィルターごしに普通の人間の美醜を捉えていける。


しろいろの街の、その骨の体温の

よりもラストはこっちの方が好きです。

でも衝撃を受けたのはしろいろのかなと思うので


75点

しろいろの街の、その骨の体温の

記念すべき最初の作品は、

映画でも、漫画でもなくこの小説なのは、最近読了したばかりという理由だけでなく、この作品が私にとって初めて寝るのも惜しんで読まざるを得なかった作品だからだ。


この前に消滅世界という同著者の作品を読んで感じていたが、主人公の価値観を実直に読み手に与える、いや読み手を蝕む手腕には素晴らしいものがある。


スクールカーストの残酷さと、女子の性徴過程をクロスして描く世界観は、それこそじっとりとした血が流れ落ちる赤黒さが、清潔な純白な下着を汚していく醜さ、そして美しさが満ちている。


率直に言うと、面白い。

残酷さこそが小説の醍醐味ではないかと思わせる。女性が故に描ける芸術性ではないか。


ただ、ラストが少し弱いかな、美しくないかなと思いました。


この作品こそ私の中の基準点したい。

80点